履歴書を見た限りでは経歴にちょっと不可思議な点があったが、
あの頃うちは人手不足だったのと数ヶ月の同業経験があることで採用した
１日８時間労働でいいって言ってるのにＡは｢俺この仕事好きなんです｣
などといって13時間ぐらい、それも休み無しでニ週間ほどブッ通しで働いた
そこまで言うならとこっちはＡの好きなようにやらせ、月目標達成の
見通しが立てばＡに一週間ほど休暇を与えるつもりでいた
｢君のやる気はありがたいのだが、さすがに身がもたないだろう｣
とこっちは普通に対応し、今までの残業分があるからあとしばらくは１日５時間労働でいい
とＡを減らすシフトに変えたのだが、あとになってＡはこのことを
｢俺の活躍の場を会社が奪った｣と逆恨みするようになっていた
給料日の前日、銀行等の外回りをしている俺にＡから電話があった
｢身内が交通事故に遭って危篤なので大至急実家に帰りたい｣
それなら構わんけどＡは初任給ももらってないのに実家は特急で５時間のところ
切符代だってバカにならないはずなのに、Ａは大丈夫です、すぐ実家へ向かわせて下さい
Ａが去った後に俺が店へ戻ってきた
Ａの部屋は案の定もぬけの殻（といっても元々薄い布団と衣類、食器ぐらいしかなかったが）
金庫には手がつけられなかったが、自販機の売り上げ約５万円が奪われていた
翌日、実家に戻ったＡから電話があった
｢この度はすみません
それで俺、もう会社辞めようと思いますから、給料を振り込んでもらえますか
給料のためだけに電車でまたそっちに往復するとなると、かなりムダになるんで｣
俺は言った
｢Ａ君が辞めるのは自由だが、採用時に君は『給料を直接手渡しで受け取る』
ことにサインしているのだから振込みはダメだ
それに君に任せていた自販機からも多額の現金が盗まれている
その清算もしなければならん｣
「だから、その分差っぴいて給料を振り込んで下さいってお願いしてるでしょう？」
「ダメだ
君は単純に考えているようだが労働基準法で禁止されてるんだ
一旦君に給料を全額手渡しし、その中から君が会社に損害を賠償しなければならん
それに身内の不幸ということであれば福利厚生も絡んでくる
危篤だという君の親戚は君から見て何親等で、いつどこで事故に遭ったんだ？」
「えっと○日の△△時頃、◇◇市内の交差点で俺の従兄弟です」
「分かった
それが確認できれば福利厚生の範囲内になるかも知れない」
「じゃあその分プラスして振り込んで下さい」
「ダメだ、取りに来い」
その後俺は◇◇市警察に電話をしたが、Ａの言う○日の△△時頃に事故はなく、
危篤になった者もいないという回答
即Ａにこのことを伝えるとＡは、
「あ、そうっすか、じゃあそういうことでいいです」とガチャ切り
給料のことも含め、Ａから催促は一切なくなった
そんなことも忘れかけていた数年後、とある警察から電話があった
「御社でＢという者が働いていた経験はあるか？」
そんな人物に心当たりは無かったが、職歴がＡとほとんど一致していた
俺は参考としてＡのことを話したらその数日後、当社の所轄から警察がやってきて
「Ａの顔写真入りの履歴書を貸してくれ」とのことだった
さらに数日後、ＡはＢという名で覚せい剤取締法違反で逮捕されたと警察から連絡があった
すごいなー。
休みなしで働いた、って、その時から薬やってたりして…ってことか。
って言いたくなるよね…
覚せい剤取締法違反で逮捕されたってのがオチで、その後はないんだが
ただ警察からは、
「住民票も提出できない、本籍も国籍も不明、名前はあってないようなもの、そんな非国民を雇ったらダメですよ！」
ときつく注意されたぐらいか
「Ａに住民票は何度も提出を催促したんですが、いかんせん当社とＡの住所が離れすぎてまして…」
「だから！そういうことは必ず採用前にやっておいて下さい！
住民票を拒む奴ってのは、必ず『ワケアリ』なんだから
これ、大事だから覚えておいて下さいよ！？」
神経が分からんのはオチじゃなくて、むしろ事故を偽装して逃走したという途中経過にあるわけで
うわー、本籍も国籍も不明、って、実際のところ何人だったんだ？？
俺もよく知らん
顔つきや喋り方はどっからどう見ても日本人だったけどね
Ａが従兄弟の事故を装って逃亡
→逃亡先から給料の振込みを要求
→俺が警察に問い合わせるも事故の事実は無し
→Ａにそのことを伝える
この間は本当はもっとgdgdしてるんだけど、無駄に数レス潰すのもどうかと思いっきり省略した
仮に催促されても俺の文才では書けないのであしからず
というわけで次の方どうぞ
市橋を知らずに雇って、「もしかして…」と通報した会社は、
風評被害に苦しんでると聞いた。
本当なら、可哀想だと思う。
実際には警察には判ってるという気がするが。
本名を明かさないまま黙秘する容疑者はまれにいるけど
被告が正体不詳で裁判があればそれだけで新聞沙汰になるし。
コメント
コメントする